AGF® 煎(せん)

和菓子塾

[ 取材レポート ]

和菓子業界の未来を牽引する職人のために

味の素AGF株式会社の協賛のもと、
「AGF®『煎』和菓子塾」と題された
特別講習が開催されることとなりました。
今後の和菓子業界を牽引していく優秀な職人たちに向けた、
プロからプロへの白熱の講義の模様を一部ご紹介します。

第一回 平成29年10月12日(木)/第二回 平成29年12月14日(木)/第三回 平成30年2月8日(木) 実施

なお、以下の内容は第一回目の実施風景をレポートしております。

今回、「AGF®『煎』和菓子塾」に参加したのは、全国和菓子協会に入会している職人の中でも、優秀和菓子職に認定される技術を有した「チーム和菓子」会員。全国各地から、80名近くの職人の方々が集まりました。この「AGF®『煎』和菓子塾」の目的としては、参加者のみなさんに、和菓子づくりの考え方や製造技術をさらなる高みに引き上げ、和菓子業界のオピニオンリーダーとして活躍していただきたいということ。そして、技術や和菓子づくりの哲学をさらに高めることによって、和菓子業界の将来を担う技術者養成に繋げてほしい。そんな想いで、この「AGF®『煎』和菓子塾」は生まれました。

「AGF®『煎』和菓子塾」のはじまりとして、全国和菓子協会の藪光生氏は、参加者に向けてこんな言葉をかけました。
「菓子が嗜好品であることを考えると、和菓子職人にとって何よりも大切なことは、いかに美味しい和菓子をつくることができるか、ということ。そして、お客様がよろこんでくださって、再び食べたいと思ってくださることではないかと思います。そのために、どのような考え方で和菓子づくりをしているか、どのように材料を吟味し活かしているのか、どんな工夫を凝らしているのかなどを、講師の体験や実践を踏まえて学んでいただけたらと思います」

味の素AGF株式会社からは、事業戦略部の三浦氏が参加しました。
「私どもは、コーヒーを扱っている企業ですが、AGF®「煎」の誕生もあり、和菓子と共に繁栄していきたいという強い想いがございます。今日は、大変貴重な機会を一緒に体験させていただき、私も勉強させていただいたいと思っております。よろしくお願いいたします」

第一部は、藪氏による講義。『美味しい和菓子づくりのために』をテーマに、和菓子づくりの大前提とも言えるふたつのお話しをいただきました。
ひとつ目は、「餡の渋切」について。40年以上、プロとして和菓子に携わり、和菓子を食してきた藪氏が問題としてあげるのは、餡の後味に残る“渋”。それは、渋切の方法に原因があるのではないか、という藪氏の仮説の元、異なる方法で渋切を実践しました。2種類の方法で渋切を行ったそれぞれの煮汁を試飲し、その風味の違いを確認することによって、美味しい餡づくりへの理解や気づきに繋がったのではないでしょうか。

ふたつ目は、「甘さひかえめへの疑問」について。昨今、お菓子のしおりで頻繁に目にするのが、「甘さひかえめ」という表記だと藪氏は言います。
「素材の味を引き立たせるために甘さをひかえるのはいいことだと思いますが、摂取カロリーを抑えるなど、闇雲に甘さをひかえるというのは、おいしいものを作る上では、問題があることだとわたしは考えます」
と藪氏。甘さ=砂糖の必要性を再確認し、自信を持つことによって、甘さへの認識を改めて欲しいと、栄養学的な側面から甘さへアプローチを図りました。

第二部は、両口屋菓匠である清水利仲氏のよる実技講習。
「お菓子は、五感の美学とも称されます。その中で、最も大事なのは、やはり味覚でしょう。当然ながら、お菓子は甘くないとできません。『うまい』を辞書で調べると、『甘い』という漢字が出てくるほど、甘さはうまさということなんです。和菓子は、舌にのせて喉元をすぎるまでが勝負。いい甘さのものを作れば、お客様は必ず戻ってきます。今回は、どういうお菓子がおいしいのか、というところを、作りながらご紹介できたらと思います」
約2時間で5種の代表的な和菓子の作り方を披露しながら、素材の特長やその活かし方、扱い方のコツなどを紹介していただきました。また、時間があるときに作っておけるものや冷凍保存できるもの、箱詰めのアドバイスなど、プロの和菓子職人向けならではの濃厚な講義となりました。

和菓子に頻繁に使う素材のひとつである「きな粉」は、炒った大豆をその場でミルにかけて作られました。会場中に香ばしいいい香りが広がり、できたてのきな粉を回して試食すると、市販のものとは全くちがう風味に驚きの声も。作り方を紹介するだけでなく、ヨーロッパでの大豆ブームのお話しなど、幅広い話題を交えながら、終始和やかな雰囲気の中で講義は進んでいきました。

今回、作り方を紹介してくださった「栗納豆」は、生栗の状態から約4日間をかけて完成させるという手の込んだ一品。最後の工程を目の前で披露していただきました。この栗納豆は、フランスでも作ったことがあるというもの。どういう状態で海外に持っていったかなどのエピソードと共に、作り方の知恵や隠し味も特別に紹介されました。

今回は、参加者一人ひとりに披露していただいた5種のお菓子に加え、数種類の和菓子がお土産として配られました。しかし、「このお菓子は、持ち帰るのではなく、この講習を聞きながらこの場で食べてくださいね」と清水氏。参加者は、作り方を学びながら、同時に味覚としてもインプットしていたようです。
そして、清水氏は「AGF®『煎』和菓子塾」の最後をこんな言葉で締めくくりました。
「今回ご紹介したものは、恐らく何度かは失敗すると思います。実際、私も何度も失敗をして今の形に辿り着きました。ぜひ、何度も挑戦して自分のものにしてください。昨今、和菓子が洋菓子に近づいている傾向も見られますが、あらためて和菓子の魅力と向き合っていただいて、本来の和菓子に戻っていただけたらと思っています」

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